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Honeymoon of golden witch 〜東京ばな奈編〜その4

 馬車から降りると、薔薇庭園の方に、黒い髪の少年の姿が見えた。白いポロシャツにカーキ色の短パン?というかふくらはぎの半分くらいの丈のズボンを履いて、オレンジ色のリックサックを背負っていた。
「あ、あれ、嘉音じゃね? おぉーい!嘉音ーーー!」
 妾が呼びかけると、その声に気がついて嘉音が振り返った。なんならここで手紙を受け取って今日の仕事は終わりにしたい。使用人室にいってこれからいつもの服に着替えるんだろうけど、そんなの構わないからここで受けとってしまいたかった。
「嘉音、ここに。ベアトリーチェさま。お久しぶりでございます。このような格好で申し訳ありません」
 嘉音はいつもの使用人の構えをしながら会釈をした。近くで見ると、ポロシャツの袖と襟のところに赤いラインが入っていて、シンプルながらも上質な服を着ていると、妾はそのセンスに感心した。
「くくく……! 構わぬぞ。 仕事以外が興味ないそなたがそのようなファッションをしておるとは……!まさに恋は人を変えるものであるな」
「いや、そんな……朱志香が選んできたものをそのまま着ているだけなので……。恐縮です」
「くくく……! そなたと妾の仲ではないか……! 楽にして良いぞ」
「……そうか。じゃあ、そうさせてもらおうかな。僕は姉さんとは違うからね。それに、君には第6のゲームのときに貸しがあったっけ」
「その通りにするヤツがあるか……!まあ、よい。今は二人だけだしな。さあ、頼んでいたものを渡すが良い」
 そういうと、嘉音はリュックサックの中から手紙を取り出した。白地に音楽の記号が入った封筒で、かなりずっしりと厚みがあった。
「ご苦労である。妾は今大変機嫌が良い。そなたにこれを進呈しようぞ!」
 妾はそう言って、東京ばな奈を嘉音に差し出した。
「未来の東京で買ってきた本物の東京ばな奈である!受け取りたければ近況を話すが良い」
「ああ、今は使用人室を出て、朱志香と一緒に暮らしてるよ」
「えっ。ああ、そうなんだ……」
 一緒に暮らしてるって……。コイツ今、さらっと凄いこと言わなかったか?
「蔵臼さまに庭師としてもっと頑張ってみないか、よかったら留学してみないか、とか言われてて……。そんなこと言われても、学校にいくとか勉強に行くとかいう気が今まで無かったから。バトラさまに定時制の高校を作ってくれ、って頼んだんだけど……夏妃さまの朱志香に勉強を続けさせたいという要望と合わせて、昼間の高校に通うことになったんだ。それで、朱志香の希望の一人暮らしをしたい、っていうのと合わせて、結局ここから少し遠い所にアパートを借りて二人で一緒に住むことにしたってわけ」
「そうなのか……」
「薔薇の世話があるから、本当は毎日ここに来たいんだけど。……まあ、仕方ないよね。お勤めは前も週3回くらいだったから、ちょうどいいのかな。あ、そろそろ時間だ。僕も、君たちの弟から、使用人に戻らないと……」
 そう言って、嘉音は使用人の構えをし、会釈をして勝手に行ってしまった。
 君たちの弟ってなんだよ。お前は紗音の弟分であって妾は関係ねーだろ。ま、いいや。男子三日会わざれば刮目して見よって言うことで……。
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